自己紹介として僕が歩んできた音楽史を書きます。どのような料理を食べているか聞くとそのひとの人柄がわかるといわれるように、僕の音楽史を通じて僕を表現しようと思います。
これまで、歴史、陸上競技、釣りなどいろいろな趣味を経験してきました。環境や興味の変化によって趣味が変わってきたわけなのですが、音楽はずっと好きです。
この記事では、自己紹介として僕の音楽史を書いてみようと思います。共感してくれたり、追体験してくたり、新しい音楽と出会う人がいると嬉しいです。
音楽は人それぞれ感じ方が違うので書き方が難しいです。一個人の主観的な意見となってしまいますが、最後までお付き合いしてもらえると嬉しいです。
音楽との出会い
日本に生まれて生活をしていれば、あらゆる場面で音楽と出会っています。テレビを見ていれば音楽番組が目に入ることがありますし、CMでも音楽は流れています。お店やテーマパークに行けばBGMが鳴っていて、幼稚園や学校では歌を歌う機会もあれば流行りの音楽について話すこともあります。
音楽触れ合う機会は至る所にあるのですが、僕の音楽との出会いとして中学生時代について話そうと思います。
僕は中学生になったタイミングで4畳半の部屋をもらいました。それと同時にCDプレイヤーを買ってもらいました。買ってもらったのがうれしくて、当時、車の中で流れていたスピッツや山崎まさよしを聞いてみました。
このときは音楽にこだわりはなく、聞きなじみのある歌を家の棚から選んで聞いていました。音楽への自我はまだ芽生えていませんでした。自分の部屋で音楽を聴いているという行為そのものが、大人になった気がして嬉しかったことを覚えています。
当時聞いていた音楽を紹介します。
- スパイダー/スピッツ:スピッツは有名な曲が多いのですが、この曲が最も耳に残っていて聴いていて心地よかったです。他には「青い車」や「楓」を聴いていました。
- ADDRESS/山崎まさよし:サビの”のびやか”な歌声が好きでよく聞いていました。この曲が出る前は有名な「One more time one more chance」や「セロリ」を聞いていました。また、山崎まさよし氏が参加している福耳の曲も聞いていました。
- Progress/スガシカオ:高校受験に向けて勉強しているときによく聴いていました。学習塾に向かう光景が思い出されます。いま改めて歌詞を見ても、自分を奮い立たせるような歌詞で頑張る場面にマッチしている曲ですね。
好きな音楽を探し求めて
高校生になっても、まだ”これだ”という音楽には出会えていませんでした。ある日、ふと本屋でROCKIN’ON JAPANという音楽雑誌を買いました。たまたまフェスの特集をしており、多くのバンドとライブのレビューが載っていました。この日から、雑誌を見てはYouTubeで曲を聴き、気に入ったらTSUTAYAでCDを借りるという音楽漬けの日々となりました。
このときに出会った曲を紹介します。
- アルクアラウンド/サカナクション:サカナクションはエレクトリックで不思議な感じが気に入って聴いていました。
- 神々LOOKS YOU/Base Ball Bear:”ベボベ”は男性ボーカルと女性コーラスの響きが好きでよく聞いていました。
- 夜明けのBEAT/フジファブリック:この曲は序盤のギターリフがかっこいいです。そこから歌が始まるとフジファブリック独特の世界観に没入する感じがあって、よく聴いていました。「環状7号線」や「銀河」もフジファブリックらしさを感じて好きな歌だっでした。社会人になって環状7号線をよく使う時期があり、感慨深かったです。
他にもいろいろ聞いており、音楽のシャワーを浴びていろんなジャンルに触れていました。この時期に特に気に入っていたのがGO!GO!7188でした。マイペースなパンクロックできれいごとだけではないダークな感じが好きでした。
- C7:出だしから勢いがあってわくわします。3ピースらしいシンプルさを感じ、ギター、ベース、ドラムのバランスが良く聴いていて気持ちが良いいです。サビのコーラスも聞き心地が良いです。
- 神様のヒマ潰し:恋愛ソングといえば「こいのうた」が有名ですが、この曲も名曲です。好きな子のことをずっと頭の中でぐるぐる考えている感じを思い出します。
- 考え事:スローテンポな曲で、ミステリアスな雰囲気が癖になります。
- スパイダー:スピッツのカバーなのですが、GO!GO!7188の色が出ていて「カバー曲もいいな」と初めて思った曲です。GO!GO!7188はカバーがうまいと思っていて、「心の旅」などカバー曲も聴いてほしいです。
ついに見つかった好きなバンド
テレビを見ていた時に僕の音楽史上最も大きな衝撃がありました。ガムのCMでした。ゆったりとしているのに迫力のある音楽に心を打たれました。すぐにMVを見ましたが、冷たいコンクリートの壁が立ちはだかるような圧倒的な存在感を感じ、映像に映るメンバーのムーンウォークが独特の雰囲気を醸し出す東京事変の「能動的三分間」でした。
すぐに「大人(アダルト)」というアルバムを借りて聞きました。「秘密」の気分が上がるドラムから「雪国」の歌声が途切れるまで、歌詞カードを見ながら聴き入りました。
曲と曲がつながり、アルバムを通して壮大さを感じ、CDが巻き戻る音がするまで世界観に引き込まれました。
1周目は曲の全体を聴き、2周目からは各パートに集中しながら聴きました。どのパートも魅力的で、衝撃的でした。
大学に入ると東京事変が解散するのですが、その日まで発表される新曲に胸を躍らせながら夢中で聴き続けました。書き出すときりがないのですが、印象的な曲をご紹介します。
- 群青日和:東京事変のデビュー曲であり名曲です。ロックで熱量を感じる曲で疾走感があって気分が上がります。
- スーパースター:前に進む力を与えてくれる曲。後半にかけて盛り上がっていき高揚感があります。
- 透明人間:とてもかわいらしい感じで耳に残ります。ライブの最後で歌われることが多かった曲です。
- ピノキオ:のびやかな曲でありながら、迫力がある曲です。
- 閃光少女:スピード感があり高揚感がある曲。ライブではギター3本の編成になるため視覚的にも疾走感を感じます。
- キラーチューン:ポップな曲調で明るい気持ちになります。曲中に各楽器のソロパートがありかっこいいです。特にギターソロは早くて印象に残ります。
寄り道
東京事変は曲を出せばランキングで売り上げ1位を必ず取っていたのですが、あるとき、出だしで2位を取ったことがあります。
その時1位だったのがAKB48でした。音楽にはまってから、たかが数年ではあるのですが時代の変化を感じました。AKB48のことは詳しくなかったのですが、天才的な東京事変のイメージとは真逆な印象を持っていました。
夏の大学のグランドで、サークル仲間が映画「モテキ」をみてから”ももいろクローバー”にはまったようで、勧められました。
アイドルは音楽の完成度が低いと思っていた僕は、”そんなものを聴くはずがない”と思ってはいたのですが、東京事変よりも上の順位をとった”アイドル”という音楽に少なからず興味はありました。
時は流れて季節は秋になりました。ある日1Kの下宿でYouTubeを見ていると、おすすめにももいろクローバーZが出てきました。
試しに再生した動画は氣志團とのコラボ映像で、「キミとセカイ」という曲をバンド演奏で行っていました。僕が持っていたアイドルのイメージとは違い、素直にかっこいいと思いました。
それ以降僕は”ももクロ”にはまることになります。
アイドルのいない事務所で、マネージャーの観客視点の戦略とそれに振り回されるメンバーという構図で進むサクセスストーリーが、厳しかった高校時代の部活動と重なりました。
また、いろんな人が作った曲を歌うということもいろんなジャンルに触れることができて面白かったです。シングルにはインストメンタルが入っているのですが、インストメンタルを聴くほど音楽的にも魅力を感じていました。
曲を作る人と歌う人。それぞれの解釈があって表現されていくというのも面白いと思います。
そのほかに当時よく聴いていた曲を紹介します。
- Z伝説 〜終わりなき革命〜:初めてももクロのMVを見た曲で衝撃を受けました。これまで聴いてきた曲は歌詞からメッセージを感じていたのですが、この曲を聴いて「自分のこと歌うんだ」とびっくりしました。自己紹介の歌なのです。戦隊ものをコンセプトとしつつ自分たちのカラーを作り上げていました。アイドルというものを体感した瞬間でした。
- 猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」:ハイベースでガチャガチャしていながら、かっこいいギターソロが入り、引き込まれる曲です。ギターはマーティ・フリードマンが弾いています。
- 白い風:クリスマスのバラード曲なのですが、心に訴えかけてくる曲でアップテンポな曲とは別のな良さがあります。
探し求めていた音楽との出会い
ももクロにはまったころにもう一つの出会いをします。この出会いこそが僕を音楽の世界へ強烈に引き込み、今も抜け出せないままです。
当時好きだった「堂本兄弟」という番組があります。今でも年末に放送していたりする。この番組はバラエティパートのトークも面白いのですが、生演奏でライブ感があって好きでした。堂本兄弟をなんとなく見ていると、あるトークに吸い込まれました。
そのトークをしていたのが当時のデーモン小暮閣下でした。キャラに忠実にユーモアのあるトークをしているのですが、知性を感じました。
気になってすぐにデーモン小暮閣下がVo.を務めている聖飢魔Ⅱの「蠟人形の館」を聴きました。歌はヘヴィメタルの世界観を表したダークな雰囲気です。一般の人が思うヘヴィメタルにユーモアを含めて具現化したものではないかと思います。
歌も素晴らしいのですが、きれいなギターソロにはかなさを感じて心を奪われました。これが、以降ずっと聞き続けている、メタルとの出会いでした。
聖飢魔Ⅱの曲を紹介します。
- JACK THE RIPPER:蝋人形の館と同様にダークな曲。歴代メンバーが集まったライブがあるのですが、その映像のギタリスト4人のギターソロは圧巻です。
- 空の雫:この曲は聖飢魔Ⅱのイメージとは打って変わって心に染みる歌詞で、頑張ろうと思える曲です。メタルよりはロックという感じですが、コーラスがきれいだったりとダークな部分とは別の面の聖飢魔Ⅱらしさを感じます。
- Brand New Song:アップテンポな曲で、これももまた聖飢魔Ⅱの別の顔を見れる曲です。曲調も聴きやすく、メタル好きでなくても好きになるのではないかと思います。
- HEAVY METAL IS DEAD:メタルバンドがヘヴィメタルは死んだという歌を歌うのだが、考えさせられる歌詞になっています。曲を通してギターが良いです。
それから
聖飢魔Ⅱに出会ってからは、メタルの曲を縦・横に聴き続けて本格的にメタルにはまっていくことになります。
当時はARDIOUSを代表として嬢メタルというガールズバンドが流行っていたから嬢メタルを聴いてみたり、ももクロの曲に携わっていたマーティ・フリードマンからMEGADETHを聴いたり、実家からもらったギターを弾かずに、練習用に買った地獄のメカニカル・トレーニング・フレーズのコラムを読んだりしていろいろな曲を聴いていきました。
聞けば聞くほど、中学生の時から探していた音楽はメタルだったのだと感じました。もちろん、中学生の時に聴いてもいろんな音楽を聴いた経験がなければ、はまらなかったのだと思いますが、激しさを求めて尾崎豊を聴いてみたり、GO!GO!7188のダークさを気に入ったり、東京事変のキラーチューンで浮雲のギターソロの速弾きに感動したり、そういったことがメタルにつながっていったのだと思います。
まとめ
自己紹介として簡単に僕の音楽史を紹介しました。あえてメタルについて序盤では触れなかったのですが、この記事はJ-POPを聴いていた少年がメタルにはまる過程について書きました。
今の日本ではメタルはマイノリティのため、たまたまこの記事を見て共感してくれた人は少ないかもしれません。新たな音楽との出会いになればうれしいですし、メタル好きの人に届いたのであれば,それもうれしいです。
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