不安障害になって電車に乗れなくなった体験談

雑記
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この記事について

 学生の頃は何よりもお酒が好きだった僕。しかし、ある日を境にお酒が飲めなくなってしまいました。一人で720 mLの日本酒を飲み干していたのに・・・。心療内科で不安障害と診断されました。不安障害はどんな人でもなりえる病気です。一つの事例として僕の経験を話します。

 僕の不安障害の症状は電車に乗れないことです。もともと満員電車は苦手なのですが、そういうレベルではなく、動悸などが起きて乗れなくなるなるのです。同じ経験をされている方の悩みを軽減できればうれしいです。

 ※飲酒に関する記載があります。飲酒は20歳になってから適度にしてください。

僕とお酒

 僕は学生時代に徐々にお酒のおいしさがわかり、お酒が日常の楽しみのひとつになりました。その経緯を書きます。

 不安障害については次の章から書いています。

 20歳になってできることのひとつが「飲酒」だと思います。それまでは、大人がおいしそうに飲むのを見るだけの未知の存在でした。よくわからないけど良いものなのだろうと思いながら、成長するにつれて興味が湧いていました。共感してくれる人は多いのではないでしょうか。

 そして、20歳の日がやってきます。試しにビールを飲んでみたのですが、想像していたようにおいしいものではない。苦くてどこが良いのかわかりませんでした。

 初めてのお酒はそれほど良いものではなかったのですが、友人と飲みを重ねるにつれて、甘い酎ハイのようなものから梅酒へと少しづつ良さがわかってきました。また、酔うという感覚が心地よく感じました。

 初めてビールを飲んでから半年がたった頃、ビールのおいしさがわかる瞬間が来ました。乾杯をしてビールをぐびぐび飲むと爽快感を感じ、そのあとにビールの良い香りが口の中を満たします。これはおいしいぞとなりました。

 僕のビールの好みはアサヒスーパードライから始まり、サントリーザ・プレミアム・モルツ、そしてキリン一番搾りへと変遷しました。そのほかのビールも含めてどれもおいしい。

 当時は東北に住んでいたのですが、お酒といえば日本酒という認識があったように記憶しています。日本酒もビールと同様にはじめはなかなか飲めなかったです。アルコールの強さが苦手でした。

 日本酒のアルコールの強さは、当時はやっていた高アルコールの酎ハイ、濃いめの梅酒、割ったウイスキーを飲んでいくうちに慣れていきました。

 そして21歳の誕生日、雑誌で紹介されていた。「瑠璃色の海」をインターネットで注文し、飲んだ時に「おいしい」と感じました。アルコールがのどを通った時のビールとは違う爽快感、日本酒が持っている「甘味」。この日から日本酒が好きになりました。

 東北はお米の甘さが生きたおいしいお酒が多いと思います。土地にも恵まれて安くておいしい日本酒にたくさん巡り合いました。最終的には日本全国にはいろいろなおいしいお酒があることを体感しました。

 とにかく、僕はお酒が大好きで、お酒を飲むことが幸せでした。

ひとこと

当時の僕にとってお酒は日常の楽しみのひとつでした。それだけ僕にとってお酒は身近でした。

電車に乗るとドキドキする

 時は流れて、僕は東京で会社員になります。ある飲酒をした翌日、電車に乗ると気持ちが悪くなり、我慢できずに電車を降りました。今まではどんなに飲んでも翌日に持ち越すことはなかったのに、この日は体調が悪くなりました。

 結局、しばらくの間電車に乗れずに会社を休みました。この日から僕は電車に乗れなくなりました。前日にお酒を飲んでいないのに、電車を待っていると気持ちが悪くなります。電車に乗って電車の扉が閉じると気持ちが悪くなります。電車が動き出すと息が苦しくなります。

 電車が来て扉が開いても怖くなって乗れなかったり、乗れても不安に耐えられなくなって途中の駅で降りたりしていました。一度駅に降りてしまうと会社に向かう電車には乗れませんでした。不思議なことに自宅に向かう方向で各駅停車の電車に乗ることはできました。

 もともと人混みが苦手で、通勤電車に苦手意識がありました。また、社歴が浅くて仕事にプレッシャーを感じていたということもありました。原因はわかりませんが、ある日突然日常生活を送ることができなくなりました。

 昔から吐き気に対して恐怖心があったのですが、この時期は常に吐き気への恐怖があり、食事もまともに取れませんでした。口の中に物が入ると気持ち悪くなってしまい、飲み込むのも意を決して飲み込むような状況でした。

 日常生活でもお酒が飲めなくなりました。お酒を飲むと電車に乗った時のようにドキドキして気持ちが悪くなるようになりました。

ひとこと

この時の体験は今でも覚えていますし、思い出してパニック症状が出そうになることもあります。同じ症状の方も相当苦しんでいることかと思います。

不安障害と診断される

 会社になかなか行けない日が続きました。気持ち悪くなるのは内臓に原因があるのではないかと思い、内科を受診し、薬を処方してもらいました。しかし、いざ電車に乗ろうとすると気持ちが悪くなってしまい、会社に行くことができませんでした。

 再度内科を受診すると、メンタルの問題である可能性が高いとのことで、心療内科を紹介されました。心療内科根の診察結果は不安障害とのことでした。また、嘔吐恐怖症のような症状があるともいわれました。

 処方された薬を飲むと、薬が効いたのか、安心したのか、なんとか電車に乗ることができました。食事も少しずつとることができるようになってきました。そうやって、少しずつ日常生活を取り戻していきました。

 処方されたのはスルピリド錠50 mgとレキソタン錠1 1 mgでした。

 スルピリドは胃に効く薬で、吐き気を抑制する効果があります。

 不安障害やうつ気味の人と話すと、処方される薬は様々でした。症状の違いや先生の考え方の違いで、処方されえる薬は異なるようです。薬に不安があれば先生に相談しましょう。先生に相談しにくいようでしたら薬剤師さんに聞いてみましょう。

 しばらくしてから週末にビールを1缶だけ飲みました。その日は何ともなかったのですが、次の日に猛烈に気持ちが悪くなりました。日本酒を何杯飲んでも平気だったのに、ビール1缶で体調が悪くなるようになってしまいました。大好きだったお酒は飲めなくなりました。

 結局、8年ほど経った今も、心療内科に月に一度通っていますが、症状はあまりよくなりません。大好きなお酒もあまり飲めていません。(体調が良いときに少しだけ飲みますが)。ただ、薬を飲みながらではありますが、会社にも毎日通勤できており、大きな問題なく日常生活を送ることができています。

ひとこと

心療内科を受診することで日常生活を送ることができるようになりました。同じ症状の方は一刻も早く受診することで、社会的にも自分の心にも最小限の負担で済ませることができます。

心療内科を受診することについて

 日常生活を送るのが不可能なほど追い込まれたときは一刻も早く心療内科を受診することが必要です。受診を先延ばしにするほど苦しくなりますし、最悪の場合、症状がどんどん重くなってしまします。

 ただ、心療内科を受診する際に注意する点があるのも確かです。必要以上に恐れる必要はないのですが、良い知識として覚えておくと良いと思います。

 何度も言いますが、異常を感じたら一刻も早く心療内科を受診してください。

心療内科はすぐに受診できない場合がある。

 心療内科では適切な処置するために時間をかけて話を聞きます。そのため、予約制のところが多いです。それも、「明日予約します」と言ってすぐに予約できるものではなく、僕の場合は1週間ほど待ちました。

 患者さん本人にとっては日常生活も送れないほどの深刻な事態なので歯がゆいところですが、精神的な問題を解決する以上仕方のないことなのかもしれません。

生命保険に入りにくくなる

 心療内科を受診して薬を処方されると、生命保険加入時の審査が厳しくなる傾向があります。症状が改善しても3年程度は考慮されるようです。不安障害の治療を例外ではありません。精神疾患があると、程度が軽い不安障害でも区別されないことがあるそうです。

 心療内科での治療は時間をかけて行う場合が多いのではないでしょうか。そうすると、結婚や出産、家の購入など大きなライフイベントを迎えることもあると思います。

 結婚や出産によって生命保険の加入を考える場合もあると思いますが、希望する生命保険に加入できないことがあります。

 特に大きいのは団体信用生命保険(団信)の加入ではないでしょうか。団信は住宅ローンで住宅を購入する際に加入する生命保険で、負債者がなくなった場合に残りのローンの全額を返済してくれる保険のことです。変動金利を借入する場合は加入する必要があります。

 団信も生命保険なので、不安障害の治療をしていると審査が厳しくなります。僕はローンで住宅を購入したのですが、ローンの審査は通っても団信で落ちる経験を何度もしました。しかし、最終的には普通の団信に通ったので、いくつかの団信に審査してもらうと良いと思います。

まずは心療内科を受診

 心療内科を受診するデメリットも挙げましたが、精神的な不調があったら、自分の体が第一なので、いち早く心療内科に電話をしてください。

 受診できるまでに日数がかかってしまいますし、症状が悪化してしまうかもしれません。生命保険の代替案はいくらでもあります。デメリットは頭の片隅に置いておけばよいので、日常を取り戻すために一刻も早く心療内科に電話をしてください。

POINT

心療内科は受診するまでに時間がかかります。余裕をもって受診することが大事です。

精神障害で電車に乗れない作品

 精神障害を取り上げた作品を見ることで、”苦しんでいるのは自分だけではない”と気づくことができ、不安が和らぐことができます。

 「Shrink-精神科医ヨワイ-」というドラマの第1話では、電車に乗れなくなってしまった人が、心療内科を受けてパニック障害と診断されます。電車だけでなく、閉鎖された空間にも恐怖を感じる描写があります。

 電車に乗った時の恐怖感や、精神科を受診するというハードルの高さを感じてなかなか受診できない状況、周りの目が気になる気持ちなどが描かれています。

 僕はこの作品を見て電車に乗れないシーンに共感して、感情移入したのでお勧めです。amazon prime Videoなどでも見ることができます。(2025.3.26現在)

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ひとこと

ほかにも同じ悩みで苦しんでいる人がいることを知ることで救われることもあると思います。身近に同じ症状の人がいれば一番良いのですが、なかなか見つけることは難しいですし、ましてや相談することはハードルが高いですよね。

まとめ

 最後まで読んでいただきありがとうございました。普通に暮らしていた僕がある日突然不安障害になった話をさせてもらいました。

  • 不安障害になり、電車に乗れない状態が続いた。
  • 心療内科で処方された薬を服用することで日常生活は支障なく遅れることができるようになった。
  • 心療内科を受診することのデメリットはあるが、なるべく早く心療内科に連絡したほうが良い。

 同じ問題で悩んでいる方のためになればうれしいです。

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